不動産屋のホンネ

この業界のお客様に見えないホンネの部分を中心に書いていきます。たまに普通のことも書くかもしれません。

不動産を買うときは月末が狙い目だと思う2つの理由(現場の感覚です)

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皆さんこんにちは。

 

前回の記事では、家を買う時期についてどう考えればよいかみたいなことを書かせていただきましたが、今回はもっと局所的な、家を買うタイミングについて記事にしたいと思います。

 

前回の記事はこちらより↓

 

www.nakanohitoteek.com

 

 さて、早速ですが局所的なタイミングとは、

「一カ月の中で、家を購入する(売買契約を結ぶ)タイミングは、その月の3週目もしくは4週目、より月末に近いタイミングであった方がよい」

という事実です。

 

理由①:仲介会社の営業マンには毎月厳しいノルマが課されている実態

 皆さまご存知の通り、不動産の営業マンには毎月売上(仲介の場合、仲介手数料)のノルマが課されております。ノルマというものは不思議なもので、達成をしてしまうと翌月・翌年はもっと高いノルマが設定されて、永遠に数字が足りない・・・というループが繰り返される仕様になっているのです。

また、ノルマは毎月リセットされて0から積み上げていかなければならないのですが、一部の優秀な営業マンを除いて、基本的に仲介業者は月初はそこまで追い詰められていないため謎の余裕をもっており、月末になるにつれて数字が足りずに焦りだす営業マンは非常に多いことも事実です。そして、月の1.2週目を余裕の表情で過ごしてきて何も成果を挙げられてないいない営業マンには、次第に上司・同僚からのプレッシャーが重たくのしかかってくるのです。

そんな数字の足りない営業マンが、月末にホットなお客さんに出くわしたらどうなるでしょうか。簡単な話です。

「なんとしてでも話をまとめるために、身を削って(仲介手数料を割引して)でも契約します」 

単純に買手のお客さん対営業マンの交渉の意味でも通用する場合もありますが、

一番これが起きるパターンは、買手のお客さんが価格交渉を絶妙なラインで入れてきて、売り主さんから合意を得る必要があるパターンです。「売主さんの希望の手取り額にあと数十万で届くのに!」という場合、買主さんの見えないところで売主さん対営業マンの仲介手数料の交渉が入ることってよくあるんです。なので、買主さんへは価格交渉を頑張る代わりに仲介手数料は普通にもらうことも全然あります。

つまり、買主さんにとっては仲介手数料or価格が安く通る可能性があがるのが、月末のタイミングなのです。

※これはあくまでその時の全ての状況によってなので、すべてにおいて通用するとは当然言えません。あくまで現場で実際に働く筆者が見えている光景になります。また、仲介業者もお客さんに足元を見られてると感じると、逆に何も頑張ってくれない可能性もありますので、ご注意くださいませ。

(ちなみに3月末は一年の会社の締め月になっている仲介業者は多いので、ほかの月より本気度がより一層違います。また、9月も半期で、次点で6月末、12月末です。まあこの辺りにあると微差なのであまり関係ないかもしれませんが。)

 

理由②:売主さんが不動産業者の場合

皆さんが家を買う時、自分でリフォームは面倒なので、リフォーム済みの物件のみでお探しの方も少なくないのではないでしょうか。

少し限定的なお話ですが、市場に売り出されている中古物件には、不動産業者が売主の物件も一部あります。マンションの築年数が昭和50年台~平成初期くらいの割と古めの物件に多いですが、「2019年○月○日 内装リノベーション完了!」みたいな物件は、ほぼ間違いなく不動産の買取・再販を行っている業者が売主さんです。

 

そして、この物件の価格を設定しているのは仲介業者ではなく、売主さん(業者)だというところが重要なポイントです。

基本的な価格の決定方法は、仕入れ値+仕入れ時の諸経費+リフォーム費用+販売時の諸経費+利益という構造になりますので、極端な話、仕入れ値を知ってしまえばおおよその利益が分かってしまいます。

ただ、この仕入れ値は業者も知られたくないので、当時の仕入れの仲介をした仲介業者くらいしか基本的に知りません。ずっと市場をチェックしている人は、少し前にリフォーム前の状態で市場に売りに出ていた同じ部屋から想像は多少できますが、市場に出る前に仕入れてしまう事も多いのが実態です。

(中には利益を1000万円出して再販できた!なんて言う話も聞くことがあるため、その物件を買ったお客さんは、業界の者からしたら少しかわいそうに思う事もあったりしますが、お客さんが満足しているならそれでいいのかもしれませんね。。。)

少し話がそれましたが、何はともあれこのような売主不動産業者は、在庫が売れ残ることをかなり嫌います。会社が銀行融資を使って仕入れをしているのが通常で、買取・再販を事業として行っているため、常日頃から仕入れ・販売を繰り返していく中で、売れ残りは銀行の評価に悪い影響を及ぼすからです。また、業者の物件ごとの担当者にも当然のように月ごとにノルマが課されているので、仲介業者と同じで「月末」は特に焦っているんです。

まあ色々な要因がありますが、リフォーム中の状態で市場に売り出したばかりの物件は多少厳しい可能性がありますが、月末の業者売主物件は、価格交渉を(甘んじて)受け入れてくれる可能性が上がります。

うまく業績が回っている業者さんは、価格交渉が通れば月末に契約できそうなお客さんだとしても、下二ケタの数字(数十万円)が限度です、なんて言って跳ね返されることもありますが、月末の方が融通が利きやすいのは多分本当です。筆者の感覚ですが。

 

【念のため、月末を狙って購入する場合のデメリット】

■不動産会社は申し込みが入って諸条件がまとまり次第、すぐに契約の段取りを組んでしまう(早いところでは4日以内には契約を結んでしまう)ので、ほかの検討客から申し込みが入ってしまった場合、知らぬ間に売却済みになってしまうことがある。

■ローンが下りるかどうか分からないお客様は、事前の審査を通しておかないと、売主さんが白紙解約を恐れて交渉がうまくいかないことがある。

希少な物件や、価格が相場よりかなり低く売り出されている物件については、月末なんて悠長なこと言ってられません。すぐ申し込みを入れましょう。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

あと最後に、水曜日等の定休日でも対応してくれる仲介業者の担当はいい人のことが多いです。

では、また次回更新にて。