不動産屋のホンネ

この業界のお客様に見えないホンネの部分を中心に書いていきます。たまに普通のことも書くかもしれません。

物件のお申し込みをした後、契約をやめたい時はキャンセル可能?【売買編】

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皆さんこんにちは。

 

今回は、いざ気に入った物件を見つけて、購入申し込みをした後に、キャンセルすることは可能か?できるならいつまで?ということについて、記事にしていきます。

 

日用品や家電なんかを買うときは、気に入らなかったら別のを買えばいいか~、程度で済むお話ですが、家を買うとなると話は違いますよね。

「内覧した時はいいと思ったけど、この物件買ったら後悔しそう…焦って買わないでもいいのかな…まだ他に探せばもっと私たちの理想に近い物件ってあるんじゃないの…?」って悩まれる方も多いのではないでしょうか。

印象としてこの感覚は「お申し込みを入れる⇒契約をするまで」の間の期間に、めちゃくちゃ襲ってくる人が多いですね。

なぜか考えてみましたが、人って目の前に大きい変化があればあるほどストレスがかかるんですよね。そのストレスを回避するために「何も変化しない」ことを選びたくなるのが本能だから、仕方ないんです。変化をしまくってたから人類が進化していったとか、その辺のお話は知りません(ちなみに2割くらいのお客様がナイーブになるイメージですね。残りの8割はテンション高いです。)

前置きが長くなりました。ここまで読んでくれた方、誠にありがとうございます。本題に戻りたいと思います。

本題は・・・

「契約書に署名・押印する前なら、ぶっちゃけいつでもキャンセルできちゃう。

どれだけその後のローンやらリフォームやらの段取りが組まれていようが、できちゃう。」

これ、本当です。ただ、ブログにこんなこと書かれるの、現場の営業からしたら最悪です。もし私がこの記事を書く側ではなく見る側だったら、こいつ何のためにネットでこんなこと言ってキャンセルを煽ってるんだ?頭おかしいのか??って思いますね、普通に。

 

とはいえですね、めちゃくちゃ大きい金額の買い物なのに、しかも中古だから全部同じ規格なわけでもないのに、買主さんは、大事なことを営業担当者から全部伝えてもらって、十分に納得してから契約に臨んでいるのでしょうか・・・?

段取り上、契約書に署名押印をするその直前に、重要事項説明をされるのが一般的ですが、その時になって「知らないこと多すぎじゃない?え、設備表?なにこれこんな不具合あったの知らなかったよ?まってまって?」

ってその時点でなるケース、現場ではかなりあります。

 

大手でも、事前に記載してもらうのを怠っていたが故に、契約の直前に売主に設備表(設備の不具合の有・無が書かれた表)を記載してもらって、営業担当者も知らなかった不具合があったなんてこともあります。

営業担当者が知らなかったら、たかが1,2回室内を内覧した程度の買主さんが気づくなんて、不可能ですよね。

 

極論を言います。

重要事項説明・契約書の読み合わせが終わった段階までなら、売主が目の前にいて署名捺印のその瞬間でも、やっぱり契約したくない!と言ってキャンセルすることも、この不具合の部分聞いていなかったから、判断に時間ほしいって言って後日に契約をずらすこともお咎めなしでできるんです。

(まぁでも正直これはめちゃくちゃヤバい雰囲気になります。1対その他全員みたいな構図になるんで、めっちゃ悪者みたいな目で見られます。図太い神経と自分なりの論理が必要かもです。)

といっても、契約をしていなければ、何もかもお咎めなしです。そういうものなのです。

 

契約のために売主さんが買った3万円の収入印紙・役所に行って取った印鑑証明・貸金庫から取り出した権利証・・・・何より期待を裏切られたことへの怒りby売主さん←これが一番やばいですね。(額にもよりますが、仲介手数料もらえなかったことより、この怒り狂った売主さんの対応の方で気が重くなります)

違約金も何も発生しないから、法律的にも何もできませんし、不動産の慣習でも相手方にお詫びを書面で出させる、なんてこともできません。

直前キャンセラー、恐るべし・・・

 

なので、直前までならいつでもキャンセルできますよ!っていうのを伝えるのと同時に伝えたいことは、

購入前には設備の不具合だとか、大事な事項はありますか?って事前に聞きまくって、もっと早い段階で問題に気付くことが大切なのです。

※営業も契約前なら、どんな細かいことでも必死に調べてくれると思います。契約後は営業マンによると思いますが、契約前より必死に調べてくれないと思います。

なぜなら、すでに契約している案件の対応は、別に数字につながる行為ではないからです。。。

ひどいことを書いているかもしれませんが、現場の実態でございます・・・。

 

気を悪くされた方いたらごめんなさい。

罪滅ぼしに、あまり一般の方が知らないと思われる、特にこれは事前に聞いて(資料をもらって)おいたほうがいいチェックリスト[マンションver]をちょっとですが書いていきます。

【チェックリスト】

重要事項調査報告書(事務所使用可否や、マンション全体の積立金総額や全体の滞納額が記載されているものです※管理会社が発行しているもので、仲介会社は必ず持ってます)

長期修繕計画書(修繕計画によっては、○○年後に毎月の修繕積立金が上がることになると予測されている場合もあります)

総会議事録(意外と大切なことが書いてあることが多いです。管理費等値上げの検討だとか、マンション内で○○があったので防犯カメラを増やしましょう、とか)

□登記簿上の床面積の確認(特に住宅ローン控除を考えて、50平米台で検討している方はマスト)

固定資産税関係(課税)証明書(固定資産税の年額の把握と、40平米台だった場合は登記費用が安くなる可能性があります※他適用要件あり)

棟内の成約事例(総戸数が多いマンションだと、ある程度相場が分かるため。これは仲介会社なら簡単に出せます)

設備の不具合関係全般(作動が悪いだとか、細かいところでもすべて調べて教えてください!って仲介会社に強く言えば、本気で隅々までしらべます)

 

他にあれば、今後追記しますが、ざっと記載するとこの辺りは押さえておいた方が絶対いいと思います。

何か気になることがあれば、なるべく早く全部解決して、キャンセルするならするで早めに意思を伝える(担当者へ相談ベースでもok)のが、皆にとって一番いいことだと思います。

 あと仲介会社にはめちゃめちゃ迷惑がかかりますので、せめてその時は演技でも申し訳なさそうにお願いします。

では、また次回にて。